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Channel: Geckooは夜に鳴く
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ガケ書房

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たまに旅行に出かけると、立ち寄りたくなるのが本屋さん。
まぁね。どこの町に行ったって、古本屋ならともかく新刊書店なんて大した違いはありません。
 
でもね、駅前の商店街に古くからある本屋さんに入って、あぁ懐かしい雰囲気だなぁ・・・と浸ったりすると、旅先のその町の印象はノルタルジックな色に染まります。
たまに見ていてワクワクするような本の並べ方をしている店に入って、
あぁこの本もあの本も欲しいと抱え込んだり、
なんて美しい本棚なんだろう・・・と陶然とさせられる本屋さんに出会えることもあります。
こんな本屋さんと出会うと、もうその町は、私にとっては文化度の高い素晴らしい町。
出来るなら今度はお金と時間をたっぷり持って出かけたい、そんな印象になります。
 
 
後者の代表は、私にとっては京都です。
何と言ったって京都です。
出来ることなら、3泊4日の京都本屋巡り(ついでに居酒屋も巡る)の旅をしたいくらいです。
でも家族がいては、なかなかそうもいかない。ので、チビチビと隙間を縫っては、京都の本屋さんを巡ったりしています。
 


長~いこと行きたくって行けなかったのが、ガケ書房。
雑誌なんかに載ってる写真をみると、ゴロゴロした大きな石を積み上げた壁から、車が飛び出している!。
なんだか面白そう!。
かなりとんがった感じの本屋さんです。
 
ただ、店の場所がいわゆる繁華街にあるのではなく、ちょっと外れにあるんですよね。
土地勘のない私には、地図をみてもイマイチよく分からない。。。
その日は意を決して、三条あたりでタクシーを捕まえます。
 
「ガケ書房っていう本屋さんに行って欲しいねんけど・・・」
「ガケ書房?。本屋さんでっか?」
「・・・(運ちゃん、知らんのかぁ・・・)。白川通り沿いにあるはずやねんけど。でね、建物から車が飛び出してる店」
「車・・・?。あぁあぁ、あるある、ミニカが突き刺さったやつでっしゃろ。アレ、本屋さんでっか?。知らんかったなぁ・・・」
「えっ?。ミニカ?。アメ車かなんかかおもってたんやけど・・・」
「ミニカですよ」
「ふうん・・・まあそこ行ってください」
「はい。へぇ~あれ本屋でっか~」
 
メッチャ心配になりましたが、タクシーは町を抜けて白川通りを進みます。
 
「着きましたよ。アレでっしゃろ」
「え・・・?。小っさ・・・」
 
私は、雑誌や本で見て、郊外型の書店のような建物を想像していました。
ほら、国道の脇にある広い駐車場があって、ファミレスくらいのサイズの。
実物は、ずいぶんと小さい建物でした。
 
以前から不思議だったんですよねぇ・・・。
扱っているのは、いわゆるサブカル系やちょっとマニアックなものが多いみたいだし、地価も高いはずの京都の町で、よく成り立っているなぁ・・・と。
実物を見て、がっかりしたけど、納得もしたのでした。
 
 
それでも、街の中心部ではなく、ちょっと外れの、むしろ住宅街といっても良さそうなところで、こういう本屋さんが成り立っているのが京都の地力なのかなぁ・・・などと思います。
 
中に入ると、新刊・マイナー出版・古本・CDやら雑貨まで取り混ぜてあって、
3分の2くらいが見たことのない本です。
もうなんかワクワクして、狭い店の中が底なしの迷宮のように思えてきます。
 
迷宮をうろついて、出会ったのが「酒とつまみ」という雑誌と、panpanyaの「足摺り水族館」という一風変わった漫画の本。
それに植草甚一の本もめっけて、帰りました。
 
「酒とつまみ」はタイトル通りに、お酒に関することばっかり書いている雑誌で、
「酔客万来」という酒飲みで名を轟かす著名人をゲストに招いた対談とか、
「山手線一周ガード下酩酊マラソン」というバカみたいな連載とか、
「さきいか相撲(さきいかで松葉相撲みたいなことをする遊び)」なるアホ丸出しの競技会のレポートとか、
そんな記事ばかりで、だいぶアルコールで脳みそがやられている感のある雑誌です。
素晴らし過ぎます。。。
 
panpanya(なんて読むのかわからない・・・)の「足摺り水族館」は・・・。
 
そうそう、これが書きたくて、新しい記事を書き始めたのですが、
マクラが長くなってしまいました。
というわけで、それは次回に。。。
 

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